RoXaN
RoXaN(rotavirus X protein associated with NSP3)またはZC3H7B(zinc finger CCCH-type containing 7B)は、ヒトではZC3H7B遺伝子にコードされるタンパク質である[5]。RoXaNはテトラトリコペプチドリピート(TPR)、ロイシン-アスパラギン酸リピート、ジンクフィンガードメインをもつタンパク質である。このタンパク質は、ロタウイルスの非構造タンパク質NSP3と相互作用する[5]。 機能ロタウイルスのタンパク質は細胞の翻訳装置によって翻訳されるが、そのmRNAはキャップ化されているがポリアデニル化はされていない。こうした非ポリアデニル化mRNAの翻訳は、ウイルスの非構造タンパク質NSP3の作用によって行われる。NSP3はウイルスmRNAの3'コンセンサス配列に特異的に結合し、翻訳開始因子eIF4G Iと相互作用する[6]。 RoXaNは約110 kDaの細胞タンパク質であり、タンパク質間相互作用や核酸-タンパク質相互作用に関与すると予測される領域が少なくとも3つ存在する。テトラトリコペプチドリピート(TPR)は多タンパク質複合体を形成するタンパク質に存在することが多いモチーフで、RoXaNのN末端領域に存在している。RoXaNのC末端には少なくとも5つのジンクフィンガーモチーフが存在し、これもRoXaNが他のタンパク質や核酸に結合することを示唆している。これら2つの領域の間には、パキシリン型ロイシン-アスパラギン酸リピート(LD)モチーフが存在し、これもタンパク質間相互作用に関与している[6]。 RoXaNはロタウイルスの感染時にin vivoでNSP3と相互作用する。相互作用は、NSP3の二量体化ドメイン(アミノ酸163番から237番)とRoXaNのLDドメイン(アミノ酸244番から341番)との間で行われる。NSP3とRoXaNとの間の相互作用は、NSP3とeIF4G Iとの相互作用を妨げることはない。ロタウイルス感染細胞ではNSP3、RoXaN、eIF4G Iからなる三者複合体が検出され、RoXaNが翻訳調節に関与していることが示唆される[6]。 臨床的意義消化管間質腫瘍(GIST)において、RoXaNの発現は腫瘍のグレードの高さと相関していることが示されている[7]。 出典
関連文献
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