Accelerated Mobile Pages
AMP(元々はAccelerated Mobile Pagesの頭字語[1])は、AMP Open Source Projectにより開発が行われているオープンソースのHTMLフレームワークである[2]。もともとはGoogleがFacebook Instant ArticlesとApple Newsの競合相手として開発したものである[3][4]。AMPはモバイルでのウェブサイト閲覧を高速化するために最適化されている[5]。AMPページは、Microsoft BingやCloudflareなどのCDNのAMPキャッシュでキャッシュされることがあり、キャッシュされていた場合はページをさらに短時間で配信できる[6][7][8]。 AMPは2015年10月7日に初めて発表された[9]。テクニカルレビュー期間を経て、AMPページは2016年2月頃からGoogleのモバイル検索の結果に表示されるようになった[10][11]。AMPは、Googleなどによるウェブに対するコントロールをさらに強める可能性があるとして批判されてきた[12]。AMP Projectは2018年9月18日にオープンガバナンスモデルに移行することを発表し、2019年10月10日以降はOpenJS財団の一部となっている。[13][14] 構成AMPの成果物である一連の仕様やライブラリなどについてもAMPと呼ぶ。AMPは、従来より用いられているHTMLなどのウェブ技術を改良したもので、中核となるのはAMP HTMLと呼ばれるHTMLの一種である。AMPは、大きく分けて、AMP HTML、AMP JSそしてAMP Cacheの3つの部分からなる[15]。 AMP HTMLは、ウェブページを記述するためのマークアップ言語であり、通常のウェブページで用いられるHTMLの亜種である。AMP HTMLでは画像などの表示にHTMLと異なる専用のタグを用いることになっているほか、HTMLの一部の機能は使用が制限されている。 AMP JSは、AMP HTMLを正しく高速に表示するためのライブラリであり、JavaScriptによって記述されている。AMP JSはまた、AMP HTML専用の機能と、一般のHTMLにのみ対応したブラウザとの橋渡しの役割をも担っている。AMP HTMLでは、このライブラリを呼び出して利用することになる。 AMP Cacheは、AMPページをキャッシュし配信するCDNであり、AMP対応のウェブページにさらなるパフォーマンスの改善をもたらす。閲覧者は、検索エンジンからAMP対応のウェブページを閲覧する際に、最適化が施されたキャッシュへアクセスすることになる。AMP Cacheは、Google AMP CacheとしてGoogleにより運用されている。 AMP HTMLAMPページを作成するには、通常のウェブページ作成においてHTMLを作成するように、AMP HTMLを作成することになる。AMP HTMLの多くの部分はHTMLと同様に記述できる。拡張子もHTMLと同様に AMP HTMLの詳細な仕様はAMPプロジェクトのウェブサイトにおいて公開されている。以下にその特徴的な部分を述べる。 冒頭部AMP HTMLの最初の部分は次のようになる。 <!doctype html>
<html amp lang="ja">
<head>
DOCTYPE宣言は通常のHTML5のものとまったく同じである。AMP HTMLでは、
カスタム要素AMP HTMLでは、通常のHTMLの要素に加えて、カスタム要素と呼ばれる独自の要素(タグ)を使用できる。カスタム要素の例としては、画像を表示するための AMPではユーザーJavaScriptが使用できないので、カスタム要素にはこれらの代替となるような要素がある。例えば、広告のための 一部のカスタム要素を使用するためには、追加でJavaScriptライブラリを読み込む( スタイルAMPページのスタイル・レイアウトには、通常のページと同じようにCSSを用いる。ただし、CSSは外部ファイルに記述したり個々の要素の また、レイアウトを制御するために、要素の HTMLの制限一部のHTML要素や属性は、使用が制限されている。特に画像などメディア関連についてはAMP独自のカスタム要素に置き換えられている。 スクリプティングAMPでは、ユーザーが作成したJavaScriptや、jQueryやAngularJSのような一般のJavaScriptライブラリは、原則として使用することができない。インタラクティブなウェブページを作成するために、代替としてAMP HTMLのカスタム要素を使用することができる。 利点AMPを使用したウェブページは、高速で読み込まれ表示される。ユーザー(ウェブページの閲覧者)は、リンクをクリックした後に待ち時間なくページの内容を閲覧することができる。Googleは、アクセスしたウェブページが低速であると多くのユーザーはそのページの閲覧をやめてしまう、というデータを示しており[18]、ページが高速で表示できることはウェブサイトの制作者にとっても有益である。 また、Google検索の検索結果では、適切に記述されたAMPページがAMPのロゴとともに表示されるようになっており、特にニュースなどの一部のコンテンツはカルーセルと呼ばれる特別な見た目によって表示される[19]。 脚注
外部リンクInformation related to Accelerated Mobile Pages |
Portal di Ensiklopedia Dunia