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この項目では、ラテン文字のBについて説明しています。その他の用法については「B (曖昧さ回避)」を、「ビー」のその他の用法については「ビー」をご覧ください。 |
Bは、ラテン文字(アルファベット)の2番目の文字。小文字は b 。ギリシャ文字のΒ(ベータ)に由来し、キリル文字のВ、Бと同系の文字であり、Бに相当する。
字形
筆記体
ジュッターリーン体
大きく分けて2つの字形が使われる。
- 縦線の右に半円を縦に2つ続けた形で、大文字に使われる。
- 縦線の下部に右に円ないし半円を1つ付けた形で、小文字に使われる。
またフラクトゥールでは
のようである。
大文字は、数字の 8 と紛らわしいため、ラテンアルファベットの B は左に出張りを入れることがある。ラテンアルファベットを表示できるデジタル機器では、十四画ディスプレイで中央に縦線を入れて、8 と区別する。
小文字は、数字の 6 と紛らわしいため、筆記体で 𝒷 と表記する場合がある。また、桁の底が十を超える場合、十一を一字で表記するときは、大文字の B を用いる。例えば、
3a + 6𝒷 - Bc = 8a + 5𝒷
というように区別する。
呼称
音価
この文字が表す音素 /b/ の音価は、有声両唇閉鎖音 [b] ないし、その類似の両唇音である。
- ドイツ語では語末や無声子音の前で無声化する。
- フランス語では語尾の b を黙字とする。英語でも語尾 mb のように b が黙字となる例がある (bombなど)。
- スペイン語の音素 /b/(bまたはvと書く)は、語頭では [b] であるが、語頭以外では弱化して有声両唇摩擦音 [β] で発音される。
- 中国語やその方言のピンインでは無気無声両唇破裂音の [p] を表す。
- 中国南方の方言では、広東省教育部門式の広東語ローマ字のように音節頭では無気無声両唇閉鎖音の [p] を表すが、音節末では両唇内破音 [p̚] を表す例もある。
- マレー語では音節頭では有声両唇閉鎖音の [b] を表すが、音節末での実際の発音は両唇内破音 [p̚] である[1]。
- ベトナム語では入破音の [ɓ] または声門閉鎖音と有声両唇閉鎖音を同時に発音する [ʔb] を表す。
- チワン語では、上記のベトナム語と同じ発音は mb と表記し、b は中国語と同じく無気無声両唇破裂音の [p] を表す。
- 日本語のローマ字表記では訓令式、ヘボン式共にバ行(ハ行濁音)の子音に用いられる。
- 朝鮮語のローマ字表記である文化観光部2000年式では有声音、無声音に関わらず初声のㅂに用いられる。マッキューン=ライシャワー式では有声で発音されるㅂに用いられる。
Bの意味
学術的な記号・単位
- ホウ素(硼素)の元素記号。
- 素粒子の一つボトム(もしくはビューティー)クォークの略号、b。
- 中間子の一つ、B中間子。
- B言語(プログラミング言語の一種)
- 十一を意味する数字。十六進法や二十進法など、十二進法以上(参照: 位取り記数法#Nが十を超過)において十一(十進法の11)を一桁で表すために用いられる。ただし、8 と紛らわしいために使用しない(特に十二進法で B を使用しない場合、十一を E と表記して、十を T または X と表記する)例もある。
- ABO式血液型の一つ。B型。
- 数学では一般に既知の数、集合、行列等を示す、Aに次ぐ文字として用いられる。
- b関数(英語版)
- ティッツ系におけるボレル部分群
- 大文字でボレル部分群、フラクトゥール小文字でボレル部分環
- 大文字で有界作用素の空間
- 大文字で(コ)バウンダリのなす部分加群
- 反応断面積の単位バーンを表す記号(小文字)。
- 圧力の単位バールを表す記号(小文字)。現在ではパスカル(記号は Pa、100 000 Pa = 1 b)が使われる。
- コンピュータの情報処理単位バイトを指す記号。Byteの頭文字を取った記号。
- コンピュータの情報処理単位ビットを指す記号。Bitの頭文字を取った記号。主に記録密度(bpiなど)や転送容量(bps)の単位として使われ、バイトと区別するために、小文字の b で表記されることが多い。
- 電気工学や振動・音響工学などで使用される単位ベル。基準電力に対する比の常用対数。通常はベル (B) ではなく、その10分の1のデシベル (dB) が用いられる。
- 光の三原色、RGBのうち藍 (Blue)。
- トランジスタの端子の一つ。ベース (Base)。
- 洋楽で用いられる音名の一つ(英米式、独式)。英米式のBは、イタリア式では「si」、日本式では「ロ」に相当し、また独式のBは、イタリア式の「si bemolle」、日本式の「変ロ」、中国式の「降B」に相当する(ドイツ語で日本の「ロ」に当たる文字はH)。尚、音楽の「シャープ」、「フラット」、「ナチュラル」の変化記号はこの文字に由来する。DTMでは、フォントの関係から、♭記号を小文字のbで代用することがある(その場合、音名のB(シ)は必ず大文字で表記される)。→ロ (音名)→変ロ
- Bモード。超音波検査における、検査方法方法の一つ。
- 電磁気学の分野では磁束密度を表す。
- ケッペンの気候区分の乾燥帯(亜熱帯)を表すB
- 学士 (Bachelor) の頭文字として使われる。B2と表記されれば学部2年生の意。
- 生年 (Birth year) の略字として使われる。b. 1945と表記されれば1945年生まれの意。
その他の記号
番組・作品名
符号位置
大文字 |
Unicode |
JIS X 0213 |
文字参照 |
小文字 |
Unicode |
JIS X 0213 |
文字参照 |
備考
|
B
|
U+0042
|
1-3-34
|
B
B
|
b
|
U+0062
|
1-3-66
|
b
b
|
半角
|
B
|
U+FF22
|
1-3-34
|
B
B
|
b
|
U+FF42
|
1-3-66
|
b
b
|
全角
|
Ⓑ
|
U+24B7
|
‐
|
Ⓑ
Ⓑ
|
ⓑ
|
U+24D1
|
1-12-34
|
ⓑ
ⓑ
|
丸囲み
|
🄑
|
U+1F111
|
‐
|
🄑
🄑
|
⒝
|
U+249D
|
‐
|
⒝
⒝
|
括弧付き
|
ᴮ
|
U+1D2E
|
‐
|
ᴮ
ᴮ
|
ᵇ
|
U+1D47
|
‐
|
ᵇ
ᵇ
|
上付き文字
|
𝐁
|
U+1D401
|
‐
|
𝐁
𝐁
|
𝐛
|
U+1D41B
|
‐
|
𝐛
𝐛
|
太字
|
𝐵
|
U+1D435
|
‐
|
𝐵
𝐵
|
𝑏
|
U+1D44F
|
‐
|
𝑏
𝑏
|
イタリック体
|
𝑩
|
U+1D469
|
‐
|
𝑩
𝑩
|
𝒃
|
U+1D483
|
‐
|
𝒃
𝒃
|
イタリック体太字
|
ℬ
|
U+212C
|
‐
|
ℬ
ℬ
|
𝒷
|
U+1D4B7
|
‐
|
𝒷
𝒷
|
筆記体
|
𝓑
|
U+1D4D1
|
‐
|
𝓑
𝓑
|
𝓫
|
U+1D4EB
|
‐
|
𝓫
𝓫
|
筆記体太字
|
𝔅
|
U+1D505
|
‐
|
𝔅
𝔅
|
𝔟
|
U+1D51F
|
‐
|
𝔟
𝔟
|
フラクトゥール
|
𝔹
|
U+1D539
|
‐
|
𝔹
𝔹
|
𝕓
|
U+1D553
|
‐
|
𝕓
𝕓
|
黒板太字
|
𝕭
|
U+1D56D
|
‐
|
𝕭
𝕭
|
𝖇
|
U+1D587
|
‐
|
𝖇
𝖇
|
フラクトゥール太字
|
𝖡
|
U+1D5A1
|
‐
|
𝖡
𝖡
|
𝖻
|
U+1D5BB
|
‐
|
𝖻
𝖻
|
サンセリフ
|
𝗕
|
U+1D5D5
|
‐
|
𝗕
𝗕
|
𝗯
|
U+1D5EF
|
‐
|
𝗯
𝗯
|
サンセリフ太字
|
𝘉
|
U+1D609
|
‐
|
𝘉
𝘉
|
𝘣
|
U+1D623
|
‐
|
𝘣
𝘣
|
サンセリフイタリック
|
𝘽
|
U+1D63D
|
‐
|
𝘽
𝘽
|
𝙗
|
U+1D657
|
‐
|
𝙗
𝙗
|
サンセリフイタリック太字
|
𝙱
|
U+1D671
|
‐
|
𝙱
𝙱
|
𝚋
|
U+1D68B
|
‐
|
𝚋
𝚋
|
等幅フォント
|
記号 |
Unicode |
JIS X 0213 |
文字参照 |
名称
|
ʙ |
U+0299 |
‐ |
ʙ
ʙ |
LATIN LETTER SMALL CAPITAL B
|
🄱 |
U+1F131 |
‐ |
🄱
🄱 |
SQUARED LATIN CAPITAL LETTER B
|
🅑 |
U+1F151 |
‐ |
🅑
🅑 |
NEGATIVE CIRCLED LATIN CAPITAL LETTER B
|
🅱 |
U+1F171 |
‐ |
🅱
🅱 |
NEGATIVE SQUARED LATIN CAPITAL LETTER B
|
他の表現法
脚注
- ^ 小野沢純、『基礎マレーシア語』、p xv、1996年、大学書林、ISBN 4-475-01051-9
関連項目